FXの確定申告

FXの取引を始めて、「ヤッター!今年は損益がプラスで終わったよ」と喜んでいるとやってくるのが税金。サラリーマンの方や普段あまり確定申告に縁のない方は、税金の事はあまり意識せずにFX取引を始めている方も多いと思います。
ここでは、FXの損益と税金についてご紹介します。場合によっては、FXの利益を申告しなくても構わないケースもあるので、取引を始めてしまう前に「どういった場合に確定申告が必要になるのか?」「確定申告する場合の税率はどうなるのか?」などを知っておきましょう。
FXの確定申告 【項目一覧】
税務署はダマせない!新しくなったFXの税制
税務署をダマすツモリがなくても、ついつい面倒でわすれてしまいがちなFXの確定申告。この数年で取引も拡大して申告漏れも増えている状況から、税制にも変更が加えられました。
ポイントとしては、まずFXには「くりっく365」などの取引所による取引と「相対取引」がありますが、平成20年度までは「相対取引」には税務署に顧客への支払調書の提出義務がありませんでした。
つまり顧客がどれだけ利益を得ているかが、税務署も把握しにくい状況だった訳です。
ですが、この改正で平成21年1月からの取引に関しては税務署が把握する事が可能になったので、所得の申告漏れで追徴課税・・にもなりかねない訳です。だから、という訳でもありませんが、FXの確定申告は必ず毎年行わないといけません。
FXは「取引所取引」と「店頭(相対)取引」で申告方法が違う!
FXの取引を始めたばかりの方は、ご自身が取引所取引なのか、
それとも相対取引なのかが分からないケースもあるかも知れませんね。
取引所取引というのは、「くりっく365」に代表されるような取引所による取引の事。
最近では大証FXなども取引所取引になります。
そして相対取引というのは、外為どっとコムなど顧客と業者間での取引の事を言います。
そして、これら取引所取引と相対取引では申告方法が変わってくるので注意。
まず、多くの方が対象となる相対取引です。
1. FXのスワップ益と為替差益を通算して得た利益を申告
2. 課税は雑所得扱いとなり、総合課税の適用となる
3. 雑所得内で経費との相殺が可能
4. 他の雑所得と合わせて20万円以下の場合には申告不要
5. 損失を翌年以降に繰り越す事はできない
上記のとおり、相対取引は総合課税の対象となるので、
給与など所得に応じて税率が変わってきます。
また利益が他の雑所得と合わせても20万円以下なら申告の必要はなく、
損失があった場合に確定申告しても翌年以降に繰り越す事は出来ません。
次に、取引所取引です。
1. FXのスワップ益と為替差益を通算して得た利益を申告
2. 税金は申告分離課税として、他の所得と分離される
3. 利益と経費の相殺や株との通算が可能
4. 原則として確定申告が必要
5. 損失を翌年以降に繰り越す事が可能
取引所取引は給与などの所得と分離して課税となるので、
所得に関係なく一律20%の税率となります。
確定申告しなくてはなりませんが、
メリットとしては株との通算や損失が出た場合に翌年以降に繰り越せる点です。
確定申告する段階では、すでに取引を終えた後だと思いますから
去年の取引を「損失が出てるから取引所取引で・・」という訳にも行きません。
損失を翌年以降に持ち越すメリットが大きいと感じる場合や
総合課税の税率が20%を超えそうな場合は、取引を始めてしまう前に
取引所での取引も検討してみた方が良いかもしれませんね。
FXの税率はどのくらい?
FXで利益を得られた場合には税金を納めなくてはいけません。。
くどいですが、せっかく得られた利益は出来るだけ節税したいのは人情です。
FXで利益を得た場合の税率について、簡単に紹介します。
まず、店頭(相対)取引の場合ですが、
利益に関しての税率は住民税が10%と所得税が所得に応じて変化します。
では、所得でどのくらい税率が変わるのか?
税率は課税所得に応じて変化するので、まず課税所得を出す必要があります。
課税所得は、年間の総収入から経費や損失、控除を差し引いた額の事です。
給与所得の場合は、給与分で控除を使い果たすのが普通なので、
FXの利益分は税率そのままに課税されると考えた方が良いと思います。
肝心の課税所得別の所得税は以下の通り
▼195万円以下 ……… 所得税率 5%
▼330万円以下 ……… 所得税率 10%
▼695万円以下 ……… 所得税率 20%
▼900万円以下 ……… 所得税率 23%
▼1800万円以下 ……… 所得税率 33%
▼1800万円以上 ……… 所得税率 40%
上記に住民税10%が加わるので、
課税所得が400万円なら10%(住民税)+20%(所得税)で、30%の税率です。
課税所得が900万円以上で、FXの利益が300万円程度あったとすると、
税率は43%となり、FXの利益から129万円は税金で納めなくてはいけません。
次に取引所取引の場合ですが、
こちらは所得に関係なく一律で20%の課税となっています。
ですので、例え1000万円の利益があっても200万円の税金となり、
上記での課税所得900万円以上で、FXの利益が300万円の場合なら
納める税金は60万円なので、相対取引よりも69万円が節税されます。
FXの確定申告が不要なケースとは?
実はFXの確定申告はすべての人が行わないといけない訳ではありません。ここでも「くりっく365」などの取引所取引と一般的な「相対取引」で違いが出てきます。
まず、確定申告が不要なケースですが、
@ 為替損益とスワップによって得た金利の通算がマイナス
A 給与所得以外の雑所得にあたる収入とFXによる利益の通算が20万円以下
B 給与を得ていない無職や専業主婦で通算所得が38万円以下
上記のケースにあてはまる場合は基本的に確定申告の必要がありません。
・・・・ですが、ここで注意する事が1点あります。
@の損益がマイナスのケースですが、これは「相対取引」の場合は雑所得扱いとなるので損益の繰越しが出来ない為に申告の必要性がない・・・という事で問題はありません。ですが、取引所取引であった場合は確定申告する事で翌年以降への損失の繰越しが可能になります。
どういう事かと言うと、昨年に取引所取引で50万円の損失があって確定申告して置くとします。すると、その損失が翌年に持ちこされて、今年の取引所取引の損益で50万円の利益が出ても税金はゼロ・・という事になります。
なんで同じFXなのに違いがあるんだ!って言いたくもなりますが、現在の制度ではそうなっています。多くの方にとっては、税率的にも手数料的にも相対取引の方がお得です。ですが、この損益の繰越しが出来るという1点だけでも取引所取引には魅力がでてくる訳です。
株や取引所取引のFXとの損益通算
利益が20万円以下なら確定申告する必要がないのは分かった。でも、株と取引所のFXに相対取引のFXも取引している場合はどうなんだ?という話ですが、これはちょこっと面倒な状態です。
実は私自身も店頭(相対)取引と取引所(くりっく365)の両方に損益があり、さらに最近の株安で株取引もしてしまっています。そういったケースの場合にはそれぞれを分けて申告しなくてはいけません。
まず、相対取引のFXは雑所得として置いて置きます。次に取引所と株ですが、これらは申告分離課税が適用となるので損益の通算が可能です。
つまり、株で50万円の利益があって、取引所取引のFXで100万円の損失があった場合には50万円の損失として申告分離課税での申告となります。それとは別に相対取引のFXで100万円の利益があれば、100万円は雑所得扱いとなって総合課税の対象となります。全体で言えば、本来は50万円の儲けしかない訳ですが、100万円に対して税金が掛かってくる事になります。
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